MENU

■南部ふみひろ講演会事務所

〒463-0055 愛知県名古屋市守山区西新9−2
電話番号:052-726-3741
ファックス番号:052-726-3742

仮名を開発した平安時代人

第52回名古屋書芸院展の表彰式で

11月8日(日)、名古屋市民ギャラリー矢田で開かれた「第52回名古屋書芸院展」にお招きいただきました。表彰式では祝辞を述べ、受賞された皆さんに賞状をお渡ししました。受賞された皆さん、おめでとうございます。

毎年こうしてお招きいただけることを、大変光栄に思います。長谷川清城会長をはじめ、関係の皆さんに心から感謝申し上げます。

「書のまち」春日井から、地域へ

名古屋書芸院は、書家として名を馳せた長谷川柳城先生が創立され、現在は長谷川清城先生が会長を務めておられます。本部がある春日井市は、平安時代の書の名人、小野道風が生まれたと伝えられる「書のまち」です。名古屋書芸院は、その春日井を代表する書道の会の一つです。

名古屋書芸院からは、多くの書道の先生が育っています。各地の集会所やコミュニティセンターなどでは、子どもから大人まで、幅広い世代の皆さんが筆を取っています。身近な場所で書道を習えるのは、地域で教え続けてくださる先生方がいるからこそです。

ユネスコが注目した、暮らしの中の書道

11月5日には、うれしいニュースがありました。日本の「書道」について、ユネスコの評価機関が、無形文化遺産の代表一覧表への記載が適当だと勧告したのです。登録の可否は、11月30日から中国・厦門(アモイ)で開かれる政府間委員会で決まる予定です。

私が心に留めたのは、書道の優れた芸術性に加え、暮らしに根付いた文化としての価値にも目が向けられたことです。年賀状に新年の挨拶を書いたり、手紙をしたためたり、冠婚葬祭で芳名帳に名前を書いたり。お正月の書き初めもそうですね。こうして思い浮かべてみると、筆で文字を書く文化は、私たちの暮らしのさまざまな場面で受け継がれてきたことが分かります。

「コカ・コーラ」に見る、カタカナの面白さ

書道のことを考えているうちに、日本の文字の面白さにも思いが及びました。中国から伝わった漢字をもとに、日本では平安時代の9世紀ごろ、ひらがなやカタカナが形づくられていきました。漢字に仮名が加わったことで、日本語の書き表し方が広がり、書の表現も豊かになりました。

例えば、身近な「コカ・コーラ」。日本では、名前の響きをカタカナで写すだけで、何の飲み物かすぐに分かります。中国では「可口可乐(繁体字では可口可樂)」と書き、標準中国語で Kěkǒu Kělè と読みます。元の名前に近い響きに、「おいしい」「楽しい」といった意味まで持たせています。よく考えられた名前だと思います。

それにしても、あれだけ長い歴史があり、人も多い中国です。「いっそ音だけ書ける文字があったら便利じゃないか」と、誰か一人ぐらい思いつきそうなものです。どうして日本のカタカナのような文字が、漢字と並んで普段の暮らしに広まらなかったのでしょう。ちょっと不思議です。

日本では、千年以上も前に、先人たちが漢字の一部を取ってカタカナを生み出しました。そのおかげで、今の私たちは「コカ・コーラ」と、聞こえた音をそのまま書けば通じます。もちろん先人たちは、まさか千年後にコーラの名前を書くのに使われるとは思ってもいなかったでしょうが、本当に便利な文字を残してくれたものです。

筆を取る人が、もっと増えることを願って

ユネスコへの登録が実現すれば、それをきっかけに、久しぶりに筆を取る方や、初めて書道を習う子どもたちも増えるかもしれません。地域の教室から書道を楽しむ人の輪がさらに広がり、次の世代にも受け継がれていくことを楽しみにしています。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次