1.障がい者歯科医療体制の充実について
愛知歯科医療センターの重要な役割
愛知歯科医療センターは、一般の歯科医院では対応が難しい障がい児・障がい者の歯科診療を担う県内有数の専門医療機関です。知的障害、自閉症、てんかん、ダウン症など様々な障がいのある方々が利用しており、県内の障がい者歯科医療を支える中核施設として重要な役割を果たしています。 [20261105213540.pdf | PDF]
現場が抱える課題
障がい者歯科診療では、一般診療以上にきめ細かな対応が求められます。診療環境への配慮や十分な診療時間の確保が必要であり、歯科医師だけでなく歯科衛生士など複数のスタッフによる対応が欠かせません。 [20261105213540.pdf | PDF]
そのため人的負担や運営コストが大きく、現場では日々努力を重ねながら診療体制を維持している状況です。 [20261105213540.pdf | PDF]

財政負担の増加
センター運営に対して愛知県から補助金は交付されていますが、歯科医師会の実質負担額は増加傾向にあります。
- 令和5年度 約339万円
- 令和6年度 約507万円
- 令和7年度 約709万円
と年々増加しており、安定した運営体制の確保が課題となっています。 [20261105213540.pdf | PDF]
また、平成24年の施設整備時に導入した診療機器やレントゲン設備も更新時期を迎えており、設備整備への支援も求められています。 [20261105213540.pdf | PDF]
要望の内容
歯科医師会からは、
- 安定した財政支援
- 専門スタッフの確保
- 医療機器更新への支援
- 障がい者歯科診療の機能強化
について、県の支援拡充を求める要望がありました。 [20261105213540.pdf | PDF]
2.学校におけるフッ化物洗口の推進について
フッ化物洗口とは
フッ化物洗口とは、フッ素を含んだ洗口液でうがいを行うことで、むし歯を予防する取り組みです。歯みがきに加えて実施することで、より高い予防効果が期待されています。 [20261105213540.pdf | PDF]
世界的な研究でも有効性が確認されており、学校などで集団実施することにより、子どもたちの口腔健康の向上に大きく寄与するとされています。 [20261105213540.pdf | PDF]
なぜ学校で実施するのか
フッ化物洗口の大きな特徴は、家庭環境や経済状況に左右されることなく、すべての子どもが平等に予防効果を受けられる点にあります。 [20261105213540.pdf | PDF]
家庭によって歯科受診の頻度や予防への意識には差があります。しかし学校で実施することで、その差を小さくし、子どもたちに等しく予防の機会を提供することができます。
私は、この点こそ大変重要であると感じました。フッ化物洗口は単なるむし歯予防ではなく、健康格差の縮小にもつながる取り組みです。 [20261105213540.pdf | PDF]
コロナ禍による影響
新型コロナウイルス感染症の流行により、全国的にフッ化物洗口事業の中断や縮小が発生しました。愛知県でも小学校での実施校数が減少し、十分な回復には至っていません。 [20261105213540.pdf | PDF]
小学校の実施校数は、
- 令和元年度 369校
- 令和6年度 324校
となっており、コロナ前の水準には戻っていない状況です。 [20261105213540.pdf | PDF]
地域による実施格差
県内では、市町村によって実施状況に差が見られます。
積極的に実施している自治体がある一方で、ほとんど実施されていない地域もあります。子どもたちが受けられる予防対策に地域差が生じていることは、大きな課題といえます。 [20261105213540.pdf | PDF]
科学的に確認された効果
フッ化物洗口については、国際的にも高い有効性が認められています。
要望書で紹介された研究では、
- むし歯歯面数 約27%減少
- むし歯本数 約23%減少
という結果が示されています。 [20261105213540.pdf | PDF]
また、普段からフッ素入り歯みがき粉を使用している場合でも、追加的な予防効果が確認されています。 [20261105213540.pdf | PDF]
県への要望
歯科医師会からは、
- 学校現場の負担軽減
- 保護者への理解促進
- 市町村への支援強化
- 情報提供や普及啓発の充実
などについて要望がありました。 [20261105213540.pdf | PDF]
3.5歳児健診の充実について
5歳児健診が重要な理由
5歳頃は、咀嚼や嚥下、発音といった口腔機能が大きく発達する重要な時期です。また、発達上の特性や課題が見つかりやすい時期でもあります。 [20261105213540.pdf | PDF]
現在、法定健診は1歳6か月児健診と3歳児健診が中心となっていますが、その後、就学前までの間に十分な健診機会が少ないことが課題として指摘されています。 [20261105213540.pdf | PDF]
小牧市の先進的な取り組み
要望書では、小牧市の取り組みが先進事例として紹介されました。小牧市では、5歳児健康診査を通じて、子どもたちの発達状況や口腔機能の状態をきめ細かく確認し、必要な支援につなげる体制づくりが進められています。 [20261105213540.pdf | PDF]
さらに、咀嚼や嚥下、発音機能など、成長過程において重要な口腔機能についても把握し、就学前の段階で課題を早期に発見できるよう取り組まれています。こうした評価結果は、その後の医療や療育、教育機関との連携にも活用され、子ども一人ひとりに応じた適切な支援へと結び付けられています。 [20261105213540.pdf | PDF]
期待される効果
5歳児健診の充実により、
- 発達課題の早期発見
- 適切な支援への早期接続
- 保護者の不安軽減
- 就学前支援の充実
などの効果が期待されます。 [20261105213540.pdf | PDF]
また、子どもの成長や発達の課題を早い段階で把握し支援につなげることで、将来の学習支援や生活支援にも役立つことが期待されています。 [20261105213540.pdf | PDF]
おわりに
今回の要望は、単なる歯科医療に関するものではなく、障がい者福祉、子どもの健康づくり、発達支援など、医療・福祉・教育が密接に関わる重要な課題が盛り込まれていました。 [20261105213540.pdf | PDF]
特に、障がい者歯科医療の充実、フッ化物洗口による予防歯科の推進、そして5歳児健診の充実は、県民の健康寿命延伸や健康格差の縮小につながる重要な取り組みであると改めて認識しました。 [20261105213540.pdf | PDF]
今後も県議会において現場の声を真摯に受け止めながら、県民の皆様が安心して医療や福祉サービスを受けられる環境づくりに取り組んでまいります。



