守山駐屯地で新隊員教育の様子を視察
2026年5月20日、名古屋市守山区に所在する守山駐屯地において、第35普通科連隊新隊員教育隊を激励訪問いたしました。
この春に入隊された自衛官候補生の皆さんが日々取り組んでいる教育訓練の様子を拝見する機会をいただきました。
新隊員教育は、自衛官としての基礎を身につけるための重要な期間です。規律や礼節、体力の向上はもちろん、部隊行動や各種戦技の基本を学び、一人前の自衛官へと成長していく第一歩となります。
当日は、ちょうど匍匐前進(ほふくぜんしん)の訓練が行われていました。訓練場で真剣な表情で取り組む新隊員の姿を見ていると、自衛隊という組織を支える人材が着実に育っていることを実感しました。
自衛隊の基本訓練「匍匐前進」とは
陸上自衛隊の「ほふく訓練」は、正式には「匍匐前進訓練」と呼ばれています。
「匍」は“はう”、“匐”は“地面に伏せる”という意味を持つ漢字で、その名の通り身体を低く地面に伏せながら前進する訓練です。
実際の任務や戦闘行動では、敵から発見されないように移動したり、銃撃や監視を避けながら接近したりする場面が想定されます。そのため、匍匐前進は陸上自衛隊における基本中の基本ともいえる重要な訓練の一つです。
主な目的としては、
- 敵から発見されにくい姿勢を身につける
- 被弾の危険を減らす
- 音を立てずに接近する技術を習得する
- 地形や障害物を活用した移動を学ぶ
- 低い姿勢での戦闘行動を身につける
といった点が挙げられます。
一見すると単純な動作に見えるかもしれませんが、全身の筋力と持久力を必要とし、正しい姿勢を維持しながら前進することは決して容易ではありません。
第1ほふくから第5ほふくまで
陸上自衛隊では、匍匐前進にも複数の種類があります。
一般的に「第1ほふく」から「第5ほふく」まで区分されており、周囲の状況や敵からの脅威の程度に応じて使い分けられます。
身体をより低く地面に密着させるものや、速度を重視するものなど、それぞれ特徴が異なります。こうした基本動作を繰り返し体に覚え込ませることで、いざという時に確実に行動できる隊員を育成しています。
自衛隊の教育訓練は、派手さはありませんが、一つひとつの動作を徹底して反復することで確かな技術を身につけることを重視しています。その積み重ねが国民の生命と財産を守る力につながっています。
自分自身の隊員時代を思い出して
訓練の様子を見ながら、私自身が若い頃、自衛官として勤務していた時代のことを思い出しました。
正直なところ、「よくもまあ、こんな厳しい訓練に耐えていたものだな」と感じる場面もありました。
若い頃は必死に取り組んでいた訓練も、今振り返ると決して楽なものではありませんでした。しかし、その経験があったからこそ、仲間との絆や責任感、そして困難に立ち向かう精神力を養うことができたと思っています。
自衛隊の訓練は体力的に厳しいだけでなく、規律や協調性、使命感を身につけるための教育でもあります。そうした経験は、隊員としてだけでなく、その後の人生においても大きな財産となります。
日本の安全を支える未来の自衛官たちへ
現在、日本を取り巻く安全保障環境は大きく変化しています。また、自然災害への対応においても、自衛隊の役割はますます重要になっています。
災害派遣や国民保護活動など、自衛隊は国民の安心と安全を支える存在として期待されています。その使命を担う新隊員の皆さんには、ぜひ誇りと自信を持って訓練に励んでいただきたいと思います。
訓練は厳しく、思うようにいかないこともあるでしょう。しかし、その努力は必ず将来の力になります。
頑張れ、新隊員。
負けるな、新隊員。
皆さんが立派な自衛官として成長されることを心から期待しています。そして私も元自衛官の一人として、これからの活躍を応援してまいります。



